フチュッピーの部屋

雨音はショパンの調べ 2023年7月1日





7月に入りました。当初予想したほど猛暑は,これからが本番だと思いますが,6月中はそれほど多くはありませんでした。その代わりに,徳島でも週末ごとに雨に見舞われ,それも最近の特徴である線状降水帯が,西日本を中心にあちらこちらで発生し,豪雨による被害も出ています。ところで,雨の擬音語(オノマトペ)といえば「ポツポツ」「パラパラ」「シトシト」「ザーザー」等でしょうか。誰しも,雨よりカラッとした晴天が気分がいいものだと思いますが,私は「シトシト」降る雨が,結構好きです。梅雨時は特に新緑が映えますよね。昔,「伊豆の踊子」や「天城越え」で有名な,天城峠の近くで,6月にジューンブライドの結婚式に呼ばれたことがあり,雨が降り続いていたのですが,緑の眩しさが際立っており,雨という天候を見直した(!)のを覚えています。でもその時の雨もまさに「そぼ降る雨」で,ゲリラ豪雨のような土砂降りではありませんでした。「シトシト」とか,ましてや「そぼ降る」なんて表現は日本語から消えてしまうのでしょうか。こんなことを書いていると,そぼ降るの「そぼ」ってどういう意味なんだろう?なんて,ひょっとしたら,小中学校で習ったのかもしれませんが,還暦を過ぎて,今頃になって疑問に思うようになりました。(生徒の皆さん,勉強は若いときに,しっかりしておきましょう!それによって人生が豊かになります。先生は,皆さんより「先」に「生」きているくらいしか,アドバンテージはありませんが,だからこそ,輝かしい未来に向かって無限の可能性を秘めている皆さんにお伝えできることは,少しでも話しておきますね)。「そぼ」ですが,調べてみますと,古くは「そほふる」とも言われたそうで,同じ意味の古語に「そぼつ」という言葉があったそうで,そぼつというのは,しめやかに降る,しとしと降る,ぬれる,うるおう,などの意味があり,かつて,濡れることを意味する「そぼつ」という動詞が使われていたそうです。そこから「そぼ降る」という表現が生まれたようです。現代の言葉で「そぼつ」は使われていないと思いますが,「そぼ降る」という表現のなかで受け継がれているんですね。でもその「そぼ降る」という表現も子供たちどころか,若い世代はもう使わなくなってきたのではないでしょうか。こんな風に日本語はどんどん減っていく?いえ,逆に増えた言葉も多々ありますから,使っている語彙数は減ってないのでしょうか。ただ,新しく増えた日本語が,「ウザイ」「キモイ」では寂しい限り,なんていうのは極端でしょうか。でも「美しい日本語」をしっかりと伝えたいなぁ(私自身,伝えられるだけの語彙がありませんが‥),と思うのは年寄りの発想でしょうか。本校の国語科の教員は頑張ってくれているので,私たち教職員も,美しい,正しい日本語を意識して,できるだけ「らぬき言葉」などを使わないようにしたいものです(ここに書いている私の駄文自体,日本語の活用がとても怪しいですが,時間はかかっても,好きな読書を通して,正しい日本語の使い方を勉強中<今頃?>ですので,ご辛抱ください)。
消えゆく日本語‥ということに頭を巡らせていたとき,今回は「雨」をテーマに考えていたので,それに関係する歌が浮かびました。雨といって,私が一番に浮かぶのは表題の「雨音はショパンの調べ」https://www.youtube.com/watch?v=JvYwr22kfvs  です。これは,今から39年前のリリースですが,もとは,イタリアの男性歌手が歌ってヒットしたものだそうで,それを日本で小林麻美さんがカバーして大ヒットしました。私は学生の頃とてもよく聴いていて,このアーティストのアンニュイな雰囲気(この言葉も古い?)の声が大好きでした。そして割と知られていないのが,これを日本語訳したのが,ユーミンこと松任谷由実さんなんです。ですから,彼女のアルバムの中に,この曲をセルフカバーして歌っているものがあります。そして,この曲と並んで,「雨」といって思い出す歌が「雨音はショパンの調べ」がヒットしたのより,5年以上前に八神純子さんが歌って大ヒットした「水色の雨」https://www.youtube.com/watch?v=M3-K4knCeLE  です。私が高校生の頃,流行ったのですが,大学生になっていろいろなことがあって(^^;),しみじみとこの歌詞の奥深さが心に染みいったのを覚えています。この歌を聴いて私が悟った(!)のは「本当に大切なものは失ってから気づくもの」ということでした。『星の王子さま』(サン=テグジュベリ)には「大切なもの(かんじんなこと)は,目に見えない」というフレーズがでてきますが‥。いつものように話があちこちに飛んでしまいましたが,「雨音はショパンの調べ」,「水色の雨」と並んで,「雨」で浮かんだのが「あめふり」https://www.worldfolksong.com/songbook/japan/amefuri.htm です。タイトルは,正確には知らなかったとしても,『♪ ‥ピチピチ チャプチャプ ランランラン‥ ♪』を知らない人はいませんよね。この歌,小学校ではなく,幼稚園や保育園で初めて習うと思うのですが,現在でも歌っているのかな?「雨が降って迎えにくるのは,お母さんとは限りません!」とか,「蛇の目傘なんて今はありません!」,なんていうことが理由で歌われなくなっているかも?本校にもお子さんが保育園に通っている先生が何人かいるので,また聞いてみます。そのなかに出てくる蛇の目傘なんて,もう民芸品レベルなので,中学生でも知らないでしょうね。それどころか,コウモリ傘なんて言葉も最近は耳にしないですね。雨音やそこを歩く音を表現した「ピチピチチャプチャプ」という音も大事にしたいものです。「雨音はショパンの調べ」と「水色の雨」と並んで,大正14年発表(作詞は,あの北原白秋!)のこの「あめふり」が浮かぶという私は,蓄音機のファン(またいつかお話しします。興味ないと思いますが強引に‥<笑>)とか,私がジャズ,フォークと並んで唱歌等も好き!というのも影響しているかもわかりませんが,この名曲(!)は,見事なシンコペーションが冒頭からずっと続くんですよね。「♪ ‥ ♪」のように,がはっきりと強調されるフレーズは,覚えやすく,親しみやすく,幼心に,雨が降って外で遊べなくても,リズムに乗って小躍りしながら歌っていた幼稚園の頃を思い出します(昨日のことさえ,よく覚えていないのに,半世紀以上前のことを鮮明に思い出すという,まさに前期高齢者の特徴をしっかり踏襲しております<苦笑>)。
「雨」について,最近の大雨が災害をもたらすばかりで,風情を感じないことから,ダラダラと思いつくままに綴らせていただきました。ここまで,お読みいただいた皆様,駄文のうえに,読みにくい文面(一文が長すぎる,と最近も校誌の「校長のことば」を校正していただいた先輩の国語の先生に「まぁ,昔からやけどな」と言われながら,ご指導いただきました。中学時代から,全く成長がありません。よって,この駄文も意味がないうえに,一文が長くて読みにくいことと思います)で申し訳ありません。
「雨」を話題にしましたのは,最近の気象状況もありますが,もうひとつきっかけとなることがありました。本校の玄関ホールには,大きな黒板があり,そこに1年間を通して,全ての先生が,いろいろな文章を書きます。お題は,その時期の行事や季節感等がベースになります。それで,2週間ほど前から,6月末まで書かれていたのが,「心にも潤いを」というタイトルの雨に関する内容でした。ショパンの「雨だれ」を紹介し,その連打音は雨音のしずくのようで,この優しく語りかけるような甘い旋律が私は好きだ,と記されていました。また,雨音は人をリラックスさせる効果があり,シトシトと降り続ける雨音が私は好きだ,とも書かれていました。誰が書いたか作者名は黒板には記さず,先生方は,生徒がいない時間帯に書くのが原則なので,子供たちは,卒業式前に配布される卒業記念号の校誌「そだち」の中ではじめて,原文と共に作者が知らされます。私はこの玄関黒板に書かれた文章を読んだ瞬間,松任谷由実訳の小林麻美が歌う「雨音はショパンの調べ」はご存じなくとも,ショパンの「雨だれ」に想いを寄せて,日常の中で雨音を聞いている先生がいらして,それを子どもたちに伝えてくれていることがうれしくなりました。短い生涯で,あれだけの名曲を残し,それらが,世界中で時代を超えて親しまれている天才の作品に,私も心を癒やされている一人なのですが,本当に芸術は素晴らしいですね。素晴らしい作品というのは,音楽に限らず,私のような素人にも伝わるところが本物の証なのだと思います。
ちょっとペースが遅すぎますが,このようにグダグダと思いつくままに私が駄文を書かせていただいているのこのページは,「校長室」というコーナーではなく,「フチュッピーの部屋」ですので,フチュッピーの近況(!)もお知らせいたします。県教委や市教委だけで無く,学校のものをホームセンター買いに行くときにも,毎回乗車して広報活動に励んでおります(^^)。今,総合体育大会の徳島市予選(中部ブロック大会)が終わり,県総体が始まろうとしていますが,総体の各会場にも,もちろんフチュッピー号で応援に向かいました。中でも,サッカーの会場となった徳島市球技場は,本校から神山方面へ30分以上かかる,山あいの入田町という所にありますが,そこにも,4回ほど通いました。ちなみに本校サッカー部は今年度の総体中部ブロック大会で準優勝に輝きました。たぶん,サッカー部が徳島市の総体で決勝まで進んだのは,本校創立以来の快挙ではないかと思います。県総体での躍進も楽しみです。本校の今年のキャッチフレーズ「より高く」を具現化してくれており,頼もしい限りです。それにしても,フチュッピー号は,総体において,今年から久しぶりに応援なども従来通りの形に戻ってきた競技が多い中,駐車場が混み合っていても,学校内等ではちょっとしたスペースに停められ,大変助かりました。他校の生徒や保護者からの注目度も大変高かったです(エヘヘ^^;)。
そのほかに,最近うれしかったことに毎朝校門前で交通指導をしていて,行き交う車の運転手さんが,みなさん,徐行を励行してくれ,生徒の横断を優先してくれる,ということがありました。ドライバーからすれば,あたりまえのことかも知れませんが,朝,みんなが急いでいる時間帯で,本校の前の道路は道幅も狭いこともあって,とても気を遣って運転してくれる車がこの3ヶ月で随分増えました。これは,本校のレジェンド警備員の北Jさん(またこのコーナーで詳しく紹介します)の丁寧な,全ての車への挨拶,止まってくれた車全てに,制帽を脱いでまで深々とお礼をする姿,自転車で通勤する方々や高校生に「おはようございます,気をつけて。いってらっしゃい」と笑顔で挨拶して下さるお人柄のたまものだと思います。私も全ての車に会釈はしているものの,やはり,人柄が醸し出す素晴らしい人間性に関して,北Jさんには,とうてい及びません(かつて私は,卒業式の式辞で北Jさんの事を話しましたし,卒業式のあと,保護者と卒業生が列をなして写真を写したり,贈り物をしていた姿が忘れられません)。そこで,毎朝,挨拶運動をしてくれている生徒会が,「あいさつで作ろう!笑顔のサイクル」等の幟をもって,挨拶をしているので,私も段ボールに紙を貼って,それを竹に貼り付けて,国語の先生に「徐行への御協力ありがとうございます(附属中学校)」と両面に書いてもらい,毎朝,それを持って,校門前を通る車に挨拶をしています。少しでも気持ちが伝わればいいのですが。でも,本当に明らかに徐行してくれる車が増えて,ありがたい限りです。それゆえに,生徒には,歩行者も自転車通学者もしっかりと交通マナーを守らせるために,ドライバーがどれだけ気を遣ってくれているか,という視点からも指導していこうと思います。
いつものように,長くなりましたが諦めて下さい。もう終わります(笑)。本校でも先月末にプールに水が入り,水泳が始まりました。本校でも,と言っても,現在徳島市で学校のプールを使っている中学校は,ほとんどありません。修繕費と維持費がかさみ,多くの学校は,市内の公営のプールに,夏休み前に1回か2回,行くくらいです。それもコロナ禍の3年間はほとんどの学校で水泳の授業は実施しなかったようです(前任校でもありませんでした)。小学校では水泳は各校で実施されていますが,高校に関しては,県内の高校でプールが稼動しているのは県西部の1校のみだそうです。本校はコロナ禍においても,人数制限しながらも実施してきました。6月中旬に久しぶりに水を抜いた後の汚れは相当のもので,生徒の清掃で手に負えるレベルでは無く,業者が一日半をかけて,きれいにしてくれました。それからは,毎日,本校自慢のプールロボットが朝までにプールの中を駆け巡り(!)プール内を隅々まできれいにしてくれます。まさにプール版の『ルンバ』です。
最後に(しつこいですがあと少しです)最新購入したアイテムを一つ紹介します。梅雨明けが待ち遠しいですが,まだまだ雨の日が想定されるので,玄関ホールに傘のしずく落としのマシーン(手動ですが<笑>)を購入しました。10年くらい前から,このタイプは県庁や企業の入り口に置いてあるのをよく見かけたのですが,今一つ,それほど効果を感じなかったのです。今回本校が購入したものは,すごい吸水率のよい,スポンジ材質のモノをヒダ状に配置しており,その中に傘を入れて,3~4回往復させれば,ほぼほぼ水滴が無くなります。装置の下部には8Lもの水をためられ,底のコックをひねったら,排水できるという優れものです。4月に,学校備品のカタログウォッチ(!)をしていて見つけ,購入しました。本校はオープン廊下で雨の日には廊下や玄関ホールが濡れてしまって厳しい状況になっていたので,早速重宝しています。「また,校長が変なモノ見つけて・・」という声も聞き慣れましたので(笑)。 本校は前後期制なので,1学期が終わるわけではありませんが,夏休みまで,残り少ない日々を緊張感をもって生活し,いい形で長期休暇に入りたいと思います。最後までお読みいただき,ありがとうございました。

 



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