令和7年度がスタートし、今日は入学式でした。おかげさまで、素晴らしい天候に恵まれ、なんと言っても、例年なら3月末から散り始めて、ほとんど入学式には花が残っていない、中庭の桜がまだほぼ満開の状況で残ってくれました。まるで、新入生がやってくる今日の入学式を待ってくれていたかのように・・・。この桜は、平成元年度の卒業記念植樹(写真上段)ですが、その当時の写真を中庭の満開の桜が見渡せる玄関フロアの手すりに貼っていたところ、新入生やその保護者の皆さんが、その成長ぶりにびっくりされたように見入っていました。私は、通算で、この桜を愛でるのが17回目になりますが、この時期に本当にこれだけ咲き誇っている桜を見たのは初めてです。(写真は今朝<4月9日>の様子)
そんな本校中庭の、シンボルツリーとなった桜が咲き誇る中、新入生136名が本日、鳴門教育大学附属中学校へ入学してきました。真新しい制服姿がとても新鮮で、式中に壇上から見た新入生の緊張気味の顔が凜々しかったです。式典の後半には、体育館の2階のキャットウォークに2年生が、そして体育館後方に3年生が、足音を忍ばせながら入場し、そして、入学式に続く、生徒会主催の「新入生歓迎式」で新入生やその保護者へ、心を込めて、歓迎の歌を歌いました。その後、新入生が家族と並んで体育館を出るときに、紙吹雪でお祝いをしました。今時、紙吹雪だなんて・・・と思われる方もいらっしゃるかも知れません。何しろ紙吹雪なんて最近見たこともない方も多いのではないでしょうか。2,3年生の生徒は、昨日帰ってから、広告を小さく切って準備してきました。これも本校の伝統で、まだ体育館もなかった頃に、講堂で入学式をした後、校舎の外を歓迎のボードを持った先輩が先導して、行進をしている新入生にその両側から、先輩らが紙吹雪ををまきながら歓迎している様子の白黒写真が本校の校誌「そだち」に掲載されています。その号は昭和34年の入学記念号でした。こうして続く伝統を大切する本校の一端を入学生やその保護者にも感じ取ってもらっています。そして、本校を卒業した保護者の中には、「懐かしいです。自分の時も同じ光景でした」と言ってくださる方もいて、私たちも嬉しくなります。入学式後の掃除はなかなか大変ですが、自分たちもこうやってお祝いしてくれたんだ、という思いが伝統を引き継いでいってくれる原動力にもなっているのだと思います。
ここで、今年度も曲紹介を私の独断と偏見(昭和に偏りすぎとの声多し<笑>)でさせていただきますが、「春」にちなんだ曲は大変多く、どちらかと言えば、春がやってき始めた3月上旬から、卒業式や離任式といった別れを象徴するような歌詞の曲が多いのですが、徳島市内としては希な、桜満開で迎えられた入学式に聴いても、昔から私の耳になじんだ(!)この曲は、とても好きな「春」の曲です。 https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=%E6%98%A5%E3%82%88%E3%80%81%E6%9D%A5%E3%81%84&mid=71B9A3BEF6D761CD834C71B9A3BEF6D761CD834C&ajaxhist=0 歳だけ重ねた、県下最年長の校長ですが、フレッシュな気持ちで今年度も400名の生徒と、35名の教職員と共に、一日一日を大切に附属中学校に確かな歴史を刻んでいこうと思いますので、どうか、ご支援をよろしくお願いいたします。
式 辞 (本日の入学式でのご挨拶文です)
本校のシンボルツリーでもある中庭の桜が、例年だと4月に入ると散り始めているのに、今年は、皆さんが来るのを心待ちにしていたかのように咲き誇っている今日のよき日、鳴門教育大学附属中学校に入学される百三六名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
難関を見事に突破された努力と、その挑戦する強い意志を讃えますとともに、教職員一同、心から歓迎いたします。今日の感激を忘れることなく、誇りを持って附属中学校での生活に臨んでください。
また、保護者の皆様におかれましては、本日の入学式を迎え、その喜びも、ひとしおのことと拝察いたします。
これまで、お子様をお育てになった日々には、一言では語ることのできないご苦労もあったことと思います。そのご労苦に対し、敬意を表しますとともに、その甲斐あって今日の日を迎えられましたこと、重ねて、およろこびを申しあげます。これから三年間、大切なお子様を責任を持ってお預かりいたします。
本校は、鳴門教育大学の附属学校として、大学と緊密な連携を図りながら、県下はもとより、全国にも誇れる教育を展開する決意でございます。鳴門教育大学の支援をいただきながら、最先端の教育を実践研究する「研究開発学校」であると共に、多くの教育実習生を受け入れ、次世代の教員に求められる資質を養う「実地教育学校」でもあります。
こうしたことから、鳴門教育大学と協働して、これからの教育を先取りした先進的な授業を開発しており、生徒はこのような授業を日常的に受講できるため、幅広い分野で知的好奇心がかき立てられる環境が整っています。新入生の皆さんは、二ヶ月ほど前にこの体育館で実施しました、入学説明会の冒頭の私からの話の中で、今、本校が取り組んでいる「STEAM教育」の話をしたことを覚えていますか。あのとき、S・T・E・A・M と、アルファベットだけを紹介し、あとは家に帰ってググってみてください、と言いいましたが、調べた人はいますか。皆さんには、知的な好奇心を常に持ち続けて欲しいですし、そういう環境が本校には整っています。ただし、実行するのは皆さんです。言われたことだけをする、言われなければしない、などという態度は、附属中学校には馴染みません。是非、何事にも積極的に好奇心をもって、取り組んでください。
本校の校訓は、この会場に、皆さんから見て左前方にも掲げられていますが、
・創造的な知性を磨く学問学校
・情熱的な意志を鍛える鍛錬学校
・強健な身体を練る体育学校
そして ・敬和奉仕の精神に生きる人間学校 と書かれています。
わかりやすく言い換えれば、本校で学ぶ生徒は、頭と心と体を鍛えるとともに、仲良く助け合う温かな人であってほしいし、それを養う場が附属中学校である、ということです。皆さんが、将来、社会の中心となって活躍する時代に、どんなにAIが発達し、世の中がどのように変わろうとも、本校のこの校訓はきっと精神的な支柱として皆さんを励まし続けると思います。玄関ホールにも掲示していますので、本校が目指す生徒像というものをイメージしていただきたいと思います。
そして、今年の附属中学校のキャッチフレーズは、「豊かな心 と 豊かな学び」です。
「豊か」というと、どんなイメージを持ちますか。お金やものがたくさんあることを思い浮かべるかも知れませんが、心の豊かさや、学びの豊かさは、お金やものが豊富にあってもそれだけでは得られないものです。心が豊か、というのは、まわりの人を思いやったり、常に感謝の気持ちが持てるような状態です。また、学びの豊かさとは、知識が豊富なだけでなく、自分から調べたり、仲間と一緒に考えたりして、意見交換しながら、より深く理解し、、探究を続けているような状態だと思います。
この「豊かな心」で信頼関係の築けた仲間だからこそ、本音で語り合い、しっかりと意見が言い合えることで、学びも深くなり、豊かな学びができるのだと思います。したがって、豊かな心が育ってこそ、学びも一層豊かになるとうことを理解して、二年生や三年生にも伝えてありますので、今年はこのキャッチフレーズを大切にして欲しいと思います。「豊かな心」と「豊かな学び」です。よろしくお願いします。
私たち、附属中学校で勤務する教職員は、「チーム附属中学校」の名の下に、一致団結し、安心で安全な教育環境を提供し、対話を重視した温もりのある教育活動の中で、皆さんと共に成長していく所存です。どうか、安心して附属中学校での生活を満喫してください。
そして、附属中学校の教育活動を推進していくためには、保護者の皆様の温かいご支援とご理解・ご協力が不可欠なものとなってまいります。どうか、保護者会を中心として、本校教育をもり立てていただけますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
結びにあたりまして、ご多用の中、本日の入学式にご臨席いただきましたご来賓の鳴門教育大学 美馬理事・副学長様、瀧 保護者会 会長様に、職員一同心からお礼を申し上げ、今後もご指導・ご支援を賜りますようお願いいたしまして、式辞といたします。
令和7年 4月 9日
鳴門教育大学附属中学校 校長 大 泉 計