今年の大型連休は、飛び石だったとはいえ、5月3日~6日は4連休でした。子供の頃から夏休みや冬休みが終わりに近づくと、凄く悲しい気持ち(宿題に追われる焦りの方が多かったかな<笑>)になったのを今でもよく覚えています。そんな人間が、生徒には「計画的に休みを過ごさないと、すぐ終わってしまうよ。」なんて偉そうなことを言い続けてきました。自分のできなかったことを、生徒には、やりなさい!と言うのは失礼な話ですが、「『先生』っていうのは、先に生まれるって書くように、私が皆さんに対しての数少ないアドバンテージは、皆さんより私が先に生まれ、皆さんがこれから送る中学校生活をすでに終えていますから、その反省にたって、私ができなかったこと、失敗したことを皆さんに紹介しながら、同じ失敗をしてほしくないので、休みの計画は、最初に綿密に立てましょうね!」なんて、『金八先生』の受け売りのような事を、昔は言っていましたが、自分ができなかったことを言っても説得力はありません。特に我が子には効果0でした(苦笑)。また、話がいつものように逸れていますが、そんな大型連休もあと2日となり、「もう終わりか」って、この歳になっても子供みたいにがっかりしています。遊びに連れて行く子供がいるわけでもないのに、やっぱり休みって気分的にいいものですよね。若い頃は、今よりも部活の練習も多く、そういう中でも自分の子供が小さい頃は、一応父親と認識してもらうために(!)あちこち、この時期は主に自然の中へ連れて行ったものですが、若かったんでしょうね。最近はちょっと移動しただけでも疲れてしまいます(苦笑)。そんな大型連休後半の今日は「こどもの日」でした。昨日は「みどりの日」その前は「憲法記念日」。子供たちは祝日の意味が十分わかっているのでしょうか。自分が担任していた頃は、部活動も日没までしていましたから、帰りの学活でも時間をとって、いろいろ祝日の話をしたのを覚えています。今は帰りの会も時間が限られていますから、せめて、家庭で家族とともに祝日の意味を話し合ったり、新聞から読み取って欲しいものですが、そういう部分の教育の不易なところが近頃は薄まってきているように感じます。また、何らかの形で広報していきたいとは思っています。
それで私ごとで恐縮ですが、どこに行くあてもなく、この連休は読書三昧にふけっておりますが、今日は本校の教員が、放美展(徳島県美術家協会と地元放送局が主催する、日本画、洋画、写真、立体(彫刻)、美術工芸、書道、デザインの7部門において県内外から広く作品を募集し、美術の好きな新人等の発掘に努めることを目的に開催されている、今年で31回目となる美術展)の洋画部門で優秀賞を受賞され(写真:作者了承済み)、現在あわぎんホールに展示されているので、それを見学しがてら、一階のホールで開催された合唱のコンサートに親戚の者が出演するので聴きに行ってきました。そこで、オープニングで大きな鯉のぼりを持った団員が、表題の「鯉のぼり」を歌いながら入場してきたのです。以前、私は昭和のフォークソングと並んで、唱歌も好きで、当時に想いを巡らし校長室に置いてある蓄音機(!)で聴くこともあります、とこのページに書いたことがありますが、誰もご存じ無いと思います(笑)。調べてみると、童謡の「♪ やねよりたーかーい こいのーぼーりー ♪」の方の「こいのぼり」は、昭和6年に作られ、長らく作者不明、と表示されていたのですが、近藤宮子さんという方の作とわかり、それにまつわるトピックスもネットに出ています。それに対して、表題の方は「鯉のぼり」で、大正2年に、弘田龍太郎さんという方が作って、後に文部省唱歌となったので、こちらも有名です。https://www.youtube.com/watch?v=QkQarYKB0eE
どちらも時代を象徴している歌詞で、現代にはそぐわないものの、文語体の歌詞っていいですね。今日は「子供の日」であると共に、「立夏」でもありました。「夏は来ぬ」ですね。また、次回にでもこの歌も大好きなので、ご紹介します(もうええわ!っていう声も聞こえてきそうですが<笑>)。
5月に入って、満開だった中庭の桜もすっかり緑の葉で一杯になりました。この季節、本当にまばゆいばかりの緑が本校を覆います。樟を中心に、本校にはざっと数えて、100本近い木々があります。毎年、真っ青な葉が時間と共に茶色になり、そして落葉し、また青葉が・・・という繰り返しのなかで、子供たちはすくすく成長し、私はどんどんヨボヨボになっていっています(涙)。そんな緑に囲まれた中庭で、3年生はベンチに腰をかけて、各クラスの担任と二者面談をしていました。毎年、この光景がほのぼのとしていて、私はとても好きです(写真)。
ところで、今年はまだ白い可憐な花が咲き誇っていませんが、もうすぐ本校の桜の木の後ろに植わっている、ハナミズキが満開を迎えます。毎年、この時期このページに必ず、一青窈さんの名作を載せてきました。素敵な歌ですが、これがあのニューヨークの9.11テロがあってそれを元に書かれた事なども、以前述べてきましたが、ついついこの時期になると口ずさんでしまいます。https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=%e3%83%8f%e3%83%8a%e3%83%9f%e3%82%ba%e3%82%ad%e6%ad%8c&&mid=8BCF5A201E317E1C98DB8BCF5A201E317E1C98DB&FORM=VAMGZC かつては、休み時間に子供たちが歌っているのが、校長室でいるとこの時期によく聞こえてきました。それは、今月中旬(16日)に、本校伝統の新入生歓迎音楽会があり、そこで当時あるクラスがこの曲を合唱曲に選んだので、よく練習していたのです。今年は「ハナミズキ」を歌うクラスは無いようですが、先月末から、校内のあちらこちらから子供たちの歌声が聞こえてきます。本校は、合唱コンクールでなく、「新入生歓迎音楽会」として、この時期に体育館ができた昭和40年代から続いています(写真は昭和47年の校誌に掲載されていたモノです)。それが、コロナ禍で歌うことがままならず、4年間にわたり、中止されてきました。私は是非ともこれを復活して欲しかったのです。県下の様々な小学校から入学してきた一年生を温かく迎える全校での最初の行事となり、1年生の緊張をほぐすと共に、2,3年生も新しいクラスで、一丸となって合唱曲を練習することで、クラスの団結が深まり、この音楽会を初めて見に来た1年生の保護者の皆さんは、2年生、3年生が本当に一生懸命、そして仲良く歌う姿を見て、本校に入学させたことに一安心してもらえる機会でもあるのです。コロナ禍が過ぎて、多くの学校では行事の精選がはじまり、続ける行事も縮小化されていっているというのに、また以前のものを復活だなんて・・・。今年の2,3年生は昨年初めて経験しましたが、昨年の生徒は、全員初めての体験で、担任の先生方も知っている先生より知らない先生が多かったくらいです。何より、音楽科の先生は本校に赴任された時は、もうこの音楽会は中止になっていましたから、ビデオ等で見て、大変なご苦労をして、復活させてくれました。しかしながら、生徒も教員もそして保護者も結果的に凄く喜んでくれました。私は「復活してください!」って言っただけなので、恨まれていたとは思いますが(笑)、今年は、皆さん前向きでとてもありがたいです。なにより、子供が、とても楽しそうに練習している姿が一番嬉しいです。そして、プログラムとかも従来の形から、省力化を図りつつ、今までより、メッセージがよく伝わるように、各クラスのメッセージカードを先月末から玄関ホールへ張り出しています。昨年までだと、音楽会当日に印刷したモノクロのプログラムが全員に配られて、その日のみ目にするだけだったのですが、今年は全校生徒分の印刷の手間を省いた分、省力化できた上に、新入生へのメッセージを込めた、各クラスの合唱への意気込みが、綺麗なイラスト共に掲示されていて、子供たちは熱心に見ており、当日に向けてテンションも上がっています。知恵を出すというのはこういう事ですね。本校の先生方に感謝です。当日は、恒例の職員合唱もあり、そちらの方は、私が足を引っ張らないか少々心配です。本番では、生徒共に、大きな達成感が得られるように頑張りたいと思います。
ところで、この季節によく耳にする、「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」という江戸時代の俳人、山口素堂の有名な句がありますが、ホトトギスに対する「耳には」、初鰹に対する「口には」を省いて、青葉に対する「目には」という表現だけで、初夏に向かう今の季節を鮮烈に表現しているところが、凄いというか、格好いいですよね。本校の青葉は、今まさに若葉が勢いよく伸びており、それらの鮮やかな「みどり」から、何とも言えない勢いを感じます。附中のたくさんの樹木の成長のエネルギーを吸収して、大型連休が明けたら、附属中学校一丸となって、「5月病」なんて言葉とは無縁に、しっかりと前進していけるように努力し、そして子供たちを支援していきたいと思った、2025年の「こどもの日」でした。