フチュッピーの部屋

同じ空の下 どこかで僕たちは いつも繋がっている 2024年3月8日





   3月8日、第38回卒業証書授与式を挙行いたしました。鳴門教育大学に移管されてからは、38回目となりますが、徳島大学時代からだと、通算76回目の卒業式となります。
   その前日には、「灯の儀」という、先輩から後輩へバトンを渡す、伝統行事がありました。これは昭和26年から続く「かがり火のつどい」という伝統行事を引き継いだものです。「かがり火のつどい」は、卒業式の前日に運動場でファイヤーストームのように全校生徒が火を囲んで行っていたのですが、雨や風など天候の影響を受けやすく、中止になることもあり、そして近年学校周辺にも住宅が建ち並ぶようになったので、そちらへも配慮をして、体育館でキャンドルを持って行える、「灯の儀」に引き継がれました。ゆらゆらと揺らぐ炎には、リラクゼーション効果があるようで、子供たちは不規則に揺らぐ炎を見ながら、心を落ち着かせて、本校の74年の歴史と伝統に思いを寄せました。ここでは、私がつけた炎を3年生各クラスの代表に分火し、3年生が本校での思い出とともに、後輩にこれからの附属中を託す話をしてキャンドルを渡しました。それを受け取った後輩が、自分たちの学年に分火して、その炎で作った花道を3年生が退場していきます。その退場の際に、毎年在校生が選んだ曲を歌って、送り出します。今年は、SEKAI NO OWRIが歌った「サザンカ」でした。もちろん私は知りませんでしたが(笑)、とてもいい曲でした。 https://www.bing.com/videos/search?q=%e3%82%bb%e3%82%ab%e3%82%aa%e3%83%af%e3%80%80%e3%82%b5%e3%82%b6%e3%83%b3%e3%82%ab&view=detail&mid=00F74D07D1AE98C729AB00F74D07D1AE98C729AB&FORM=VIRE0&ru=%2fsearch%3fq%3d%25E3%2582%25BB%25E3%2582%25AB%25E3%2582%25AA%25E3%2583%25AF%25E3%2580%2580%25E3%2582%25B5%25E3%2582%25B6%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25AB%26form%3dANSPH1%26refig%3d164a2ad5a2464ecea8b4bb7d034f8eee%26pc%3dU531  
 3年生の各クラスの代表9名に私から炎を分火する前に、ステージ上で私から、炎の灯ったキャンドルを以て挨拶をするのですが、その時に話した内容は次の通りです。


「令和5年度 灯の儀での挨拶」        
 3年生の皆さん,いよいよ ご卒業ですね。 皆さんは明日、第38回の卒業生としてこの附属中学校から、巣立ちますが、徳島大学時代から通算すると、明日は76回目の卒業式となり,1月12日の揮毫式の時にこの体育館一杯に飾られた雄名録に書かれていた1万4千人以上の卒業生の仲間入りをするわけです。
 揮毫式は、昭和26年から74年続く行事ですが、同じように、昭和26年から始まった行事が、この灯の儀の前身となる,かがり火の集いです。
 私は、「附中のうた」が大好きです。その2番には「夜空を焦がすかがり火の 燃ゆるゆかしき伝統を」と歌われています。今から21年前まで、卒業式の前日に運動場で、ファイヤーストームのように、かがり火の集いを行ってきました。しかし、雨や風など天候に左右されることも多く、また近隣の住宅へも配慮して、この灯の儀へと、受け継がれてきました。ここにともる炎は、雄名録同様、先輩から受け継がれてきた伝統の灯りです。
 この不規則にゆらぐキャンドルの炎を見て、76年に及ぶ附属中学校の歴史や伝統を感じてください。
3年生の皆さんは、私たちに立派な伝統の1ページを加えてくれました。特にこの1年は,3年間に及ぶコロナ禍が、完全ではないにしろ、ようやく治まって、従来の生活が戻ってきた中で、「より高く」を合い言葉に、それぞれの分野で、粘り強く、よく頑張ってくれました。3年生の皆さんが、作ってくれた素晴らし伝統を、これから,2年生,1年生が引き継ぎ、まさに「承前啓後」の精神で、附属中学校をさらに発展させてくれるものと思います。3年生の皆さんは、これから附属中学校の卒業生であることを誇りに、自分らしく、しっかりと生き抜いてください。皆さんのご活躍を心から祈っています。本当に皆さんは、素晴らしい附中生でした。その附中生と呼ばれるものあと1日となりました。3年生のみんな、ありがとう。

 翌日の卒業式は、前日の「灯の儀」の感動そのままに、より厳かな雰囲気で素晴らしい式典となりました。完全な収束ではないにせよ、アフターコロナとなっての卒業式は、今まで入場できなかった在校生も体育館に入りました。しかしながら、1年生は各クラスの代表24名のみにして、保護者は複数人でもOKとしました。前日の灯の儀には、在校生全員が入れたので、アフターコロナ1年目はまず、この規模が適正かな、ということで実施しました。それでも、決して広くない本校の体育館には、子供たちの表情が見えるように、ステージから2台のテレビカメラで点呼の時や、歌っている様子な、、式典中の生徒一人一人の様子をスイッチャーで切り替えながら撮影して、保護者席側に配置した4台の大型モニターテレビでも見えるようにしているため、それらも場所をとるため、結構手狭です。
 入場してきた3年生はとてもりりしく、先導する担任は、すでにウルッて来ているように見えました。約20分間、入学から今までの写真をBGMと共に流す「思い出のアルバム」を鑑賞した後、卒業証書授与、式辞、祝辞、在校生送辞と、順調にすすみ、在校生から、送別の歌、そして卒業生代表の答辞、「仰げば尊し」など,卒業生の歌声を聴いたあたりでは、万感迫るものがありました。中でも、特に長らくこのような広い会場で「歌う」ことが少なかった生徒たちが歌った校歌の声量には感動しました。母校の校歌をみんなで歌う最後の機会、という前日指導が生徒に響いたのか、素晴らしい歌声でした。そして、閉式の言葉で一端卒業式が終了した後、記念品贈呈や保護者謝辞があったあと、卒業生が3年間の想いを込めて、自分たちが選曲した歌を在校生や保護者席の方へ向き直って、大きな声で合唱してくれました。歌が始まると、3年団の先生は涙、涙・・・でした。歌い終わった後は、体育館が大きな拍手で包まれました。今年3年生が歌ってくれた曲は、「友 旅立ちの時」という、『ゆず』の歌で、その歌詞に寄せる想いを、最初に指揮をした生徒が語ってくれました。伴奏の男子生徒の演奏も素晴らしかったです。子供たちの歌声は、本当に素晴らしかったです。表題は,この歌の最後のフレーズです。
https://www.bing.com/videos/search?q=%e5%8f%8b%e3%80%80%e6%97%85%e7%ab%8b%e3%81%a1%e3%81%ae%e6%99%82&qs=n&sp=-1&ghc=1&lq=0&pq=%e5%8f%8b%e3%80%80%e6%97%85%e7%ab%8b%e3%81%a1%e3%81%ae%e6%99%82&sc=11-7&sk=&cvid=F58CB77BF457459EA273CB2CB6C8EF0B&ghsh=0&ghacc=0&ghpl=&ru=%2fsearch%3fq%3d%25E5%258F%258B%25E3%2580%2580%25E6%2597%2585%25E7%25AB%258B%25E3%2581%25A1%25E3%2581%25AE%25E6%2599%2582%26qs%3dn%26form%3dQBRE%26sp%3d-1%26ghc%3d1%26lq%3d0%26pq%3d%25E5%258F%258B%25E3%2580%2580%25E6%2597%2585%25E7%25AB%258B%25E3%2581%25A1%25E3%2581%25AE%25E6%2599%2582%26sc%3d11-7%26sk%3d%26cvid%3dF58CB77BF457459EA273CB2CB6C8EF0B%26ghsh%3d0%26ghacc%3d0%26ghpl%3d&view=detail&mmscn=vwrc&mid=B0571A01C796F4451580B0571A01C796F4451580&FORM=WRVORC
 感動的な卒業式でした。校長として、私の名前の入った卒業証書を131名の卒業生に渡せて幸せでした。

 そんな卒業生に私から送る歌は、かつて本校の卒業式でも3年生が歌った曲で、このアーティストは、再度音楽を学ぶために、長らくアメリカへ行っていて活動を休止していたのですが、最近帰国し、またコンサートを再開したというニュースを聞きました。いつ聴いても感動します。https://www.bing.com/videos/search?q=%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%83%a9%e3%82%a2%e3%82%ad+%e6%89%8b%e7%b4%99&view=detail&mid=F07005057398CE44C34BF07005057398CE44C34B&FORM=VIRE      

 卒業生のみなさんの夢に向かって前進する姿を、陰ながら応援しています。卒業式当日の私の式辞です。

          卒業式 式辞
 寒暖の差が激しい日々の中にも、校庭のあちこちに、確かな春の足音が感じられる、今日の良き日、鳴門教育大学附属中学校第38回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、ご来賓として、○○ ○○鳴門教育大学・理事・副学長様、□ □□保護者者会長様、◇◇ ◇◇同窓会長様のご臨席を賜りましたことに、厚く御礼申し上げます。
 本日この学び舎を巣立つ131名の皆さん、晴れのご御卒業、誠におめでとうございます。いま皆さんに授与いたしました卒業証書は、中学校3年間を学び終え、義務教育を終えたことの証です。これまで皆さんを支えてくださった保護者の方々をはじめ、ご家族や先生方など、全ての人々に感謝の気持ちを持ち、卒業証書に込められた期待や願いを受け止めて欲しいと思います。
 保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。先ほどの「思い出のアルバム」にも流れておりましたが、3年前の入学時を思い起こし、立派に成長した姿に、喜びも格別なものがあるものと拝察いたします。多感な中学3年間、いろいろなことがあったと思われますが、これまでのご労苦に敬意を表しますと共に、高いところからではございますが、お子様のご卒業を心よりお喜び申し上げます。
 私自身、4月に3年ぶりに附属中学校へ戻ってくることができ、保護者の皆様をはじめ卒業生の皆さんとは、入学前にこの体育館で実施した入学説明会で出会い、まだ小学生だった子供たちの成長ぶりに驚くと共に、再会できたことをとてもうれしく思いました。
さて、卒業生の皆さんは、今、3年間の様々なことを思い出し、胸が一杯なのではないでしょうか。先ほどの思い出のアルバムを見ても、本当にあっという間の3年間だったと感じたことでしょう。その3年間というのは、決して楽しいことばかりでは、なかったかもしれません。
 勉強や部活動でつまずいたり、友だちとの関係がうまくいかなかったりして、悩んだこともあったことでしょう。しかし、その一つ、一つが皆さんにとって、今となっては、大切な心の糧になっていることと思います。
 皆さんが本校へ入学する前から、新型コロナウイルスの感染が拡大し、入学してからも1年生、2年生の間は、学校生活や行事において、多くの制限があり、そういう中でも辛抱して、我慢して、粘り強く過ごした日々だったことと思います。3年生になって、学校行事をはじめ、多くのことが従来の形に戻ってきましたが、そのような中で、今年1年を振り返っても、みなさんは、最上級生として素晴らしい足跡を残してくれました。学業はもとより、スポーツ、文化、芸術活動など、多方面にわたり、輝かしい実績を残してくれました。今年の合い言葉であった、「より高く」を、みんなが目指して頑張ってくれました。後輩たちは皆さんの活躍を目の当たりにし、附中の伝統をしっかりと受け継ぎ、皆さんを目標に、あとに続いてくれることと 思います。
 そんな後輩から目標とされる皆さんに、私から最後のお話をします。
皆さんがこれから生きていく世の中は、希望にあふれて輝いて見えているかと思いますが、生成AIなどが一層発達して、自動運転や多様なロボットが登場し、自動化もどんどん進むSociety5.0と呼ばれる超スマート社会は、生活が便利になってもそれだけでは、決して十分な幸せを享受できるとは限らないかも知れません。
元日の夕方、能登半島で大地震が起こりました。家族で団らんしていたお正月の大惨事で、多くの方が被災し、今も不自由な生活を送られている方々たくさんいらっしゃいます。また、未だに十分に収束していない新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活を一変させました。そして、今、この瞬間にも地球上の複数の地域で、子供を含む無抵抗な人たちが、戦争で命を奪われるという、信じがたいことが起こっていることは、皆さんも知っている通りです。
 このように科学技術が発達しても、予測不能なことが起こりうる世の中を、皆さんはこれから生き抜いていくことになります。しかし、どのような世の中がやってこようとも、人が幸せに生きる、生きたいという欲求を満たすためには、人としての「思いやり」のある「美しい心」無くして人類の幸せはやってこないと思います。
 本校の校訓である、敬和奉仕の精神に生きる人間学校、その卒業生として、皆さんが今後それぞれの分野のエキスパートとなって、日本、そして世界を支える人材になっても、人として、温もりのある,美しい心を持った、大人になることを1番の目標にしてください。人を思いやる心と感謝の気持ちを忘れなければ、必ず皆さんの周りには、皆さんを支えてくれる仲間の輪ができます。これからの時代,世の中の中心となって活躍する皆さんだからこそ、本校で培った、人間学校の精神を忘れないで頑張って欲しいと思います。
 終わりになりましたが、保護者の皆様には、本日まで本校の教育活動に、温かいご支援とご協力を賜り、誠にありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。今後とも本校の応援団として、附中を見守っていただければ幸いです。
また、ご来賓の皆様には、これまで本校教育に寄せていただきました、ご理解とご支援に厚くお礼を申し上げますとともに、今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
 卒業生の皆さん、いよいよ巣立ちの時が近づいてきました。今一度、ステージ右側に掲げられた、2か月前に揮毫した雄名録の掛け軸を見てください。昭和26年から1度も欠かすことなく続いている新年揮毫式の74幅めの掛け軸が完成しました。この雄名録に記された皆さんの名前はいつまでも本校に残り、後輩に受け継がれ、毎年この体育館に展示されます。今年久しぶりに復活しましたが、この揮毫式は公開行事としています。将来、皆さんが悩んだり壁にあたってしまうことがあれば、遠慮なく揮毫式に来て、この雄名録を見つめてください。そこには、自分の書いた氏名とともに、頑張ってコロナ禍を乗り越えて、共に過ごした仲間と、恩師や後輩の名前があります。きっとそれらが、皆さんの背中をそっと押してくれる勇気を与えてくれると思います。
 これから皆さんは、それぞれが描く夢に向かって進んでゆきます。その夢をかなえるためには附属中学校で先輩から受け継ぎ、仲間と共に育んだ伝統を大切にして「承前啓後」の思いで 未来を切り開いていってください。
 卒業生131名の、限りない前途を祝福して式辞といたします。

令和 六年 三月八日
                                                           鳴門教育大学附属中学校 校長 大 泉 計

 



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