フチュッピーの部屋

♪ あなたの夢を あきらめないで ♪ 2024年1月28日





  能登半島地震から4週間が過ぎました。連日のニュース報道では被害の実態が更に詳しく判明して、その深刻さを知るとともに、避難所での大変な生活の様子も伝わってきます。なかでも、現地のほとんどの学校が避難所となっている中で、なんとか授業を再開したり、中学生は親元を離れて生活をせざるを得なくなったことに、なんともいえない気持ちになります。ましてこれからが受験シーズン本番を迎えるだけに、中高生の厳しい状況に、何のお手伝いもできていませんが、日々の報道を見つつ、現地の人たちに思いを寄せる気持ちを持ち続けよう、と呼びかけています。
  そのような中、本校では、令和6年度の入学学力検査が、5日(土)、6日(日)に行われました。中学校への進学に関しては、地元の公立中学校や県立中学校、そして私立中学校といくつもの選択肢のある中から、本校を選んでいただいたことに受験生やその保護者の皆様には心よりお礼を申し上げたいと思います。中学受験(受検)を実施している学校の中では、本校は唯一、中学3年間を終えた後の進路を、県内外を含めて自由に選択することができます。今は私立高校の入試が真っ盛りで、県外を含め毎週のように受験に出かけている生徒が数多くおります。県外の難関校といわれている高校だけではなく、将来エンジニアや建築家になりたい、等と進路が固まっている生徒の中には県内外の高等専門学校を目指す者もいます。高専は希望すれば、国立大学への編入も可能で、専門の勉強をしながら一般的な大学入試ではなく、国立大学の工学部へ進むことができます。また、音楽に小さい頃から関心が高く、ピアノ等の楽器演奏の秀でている生徒の中に、将来の夢の実現に向けて関東の有名音楽大学の附属高校へ進んで、高校時代からより高い技能を身につけようと、進学した生徒もいました。美術が大好きだった先輩は、将来の夢に向かって、高校でも夢をあきらめずに頑張って、東京芸術大学へ進んで美術を専攻している人もいます。このように、本校でしっかり力をつけた後、多様な進路を選択できるのも本校の特徴であり、伝統です。
   そのような将来のキャリアについても十分に考えながら、自分の夢の実現に向けて頑張っている生徒が多いのですが、そういうなかで本校の伝統を最も感じられる行事が、今年は1月12日に実施した、「新年揮毫式」です。これは本校の行事の中でも昭和26年から続く、最も歴史を感じさせる行事で、校長が言葉を揮毫し、校長と生徒会長が氏名を揮毫した後、その文字を取り囲むように全校生徒と、その年に附属中学校へ勤務した全教職員が氏名を揮毫します。できあがったものは表装して、その掛け軸をその年の卒業証書授与式の時、壇上に掲げます。昭和26年から今まで、一度も絶えることなくこの行事が続いていることは、奇跡的だと思います。式当日の会場となる体育館には現在までの73本の掛け軸が年ごとに順番に飾られ、揮毫する生徒を取り囲みます。1万4千人近い先輩や先生方の氏名に囲まれた会場は凜とした何とも言えない厳かな雰囲気に包まれます。昭和26年といえば、サンフランシスコ講和条約が締結された年で、世界が日本の終戦を認め、ようやく連合軍も本土から退散していった頃です。そういう時代に、当時の校長の呼びかけで、元旦に附属中学校に全校生徒と教職員が集合し、体育館のなかった当時は運動場で揮毫をしたのです。中学1年生は、初めて経験する行事ですので、次のような紹介文を配布しています。
    「吉野川の水、太平洋の水、そして眉山の水と、凝って墨汁となったのを用いて、一年の志を揮毫し、各自の氏名を永久に残す式である。昭和26年1月1日(25年度)に新年互礼会が持たれ、その日より、この雄名録・雄志録の歴史が始まったのである。山、川、海の3つの水を混ぜ合わせたもの使用する所以は、自らの手で筆を持ち、氏名を揮毫した生徒たちが、世界に羽ばたく大きな人間に育ってほしいとの祈りを込めてとのことである。
そして、45年度より新年1月8日、3学期始業式の日に、揮毫式が持たれるようになった。この日ばかりは、前年までの雄名録の掛け軸をぐるりに配した体育館中央に置かれた机に、筆を持って向かう生徒らの顔は、一段と引き締まって大人びて見え、目は希望に燃えていっそう輝くのである。校長の揮毫を囲み、全教員・生徒五百有余の魂は、清浄に、健康に、重厚に伸びていく。そして、この輝かしい一年のはじめの新しい心で、附属中学校の伝統は、ますます栄え、受け継がれていくのである。」
   ここに書いていますように、揮毫するときに筆につける墨も、山、川、海の3つの水を混ぜ合わせるために、実際に山は眉山の錦竜水を、川は吉野川の水を、海は太平洋側の沿岸から教員が取水してきて、子供たちが事前に時間をかけてその水を混ぜ合わせて、墨をすります。私は今まで校長として、僭越ながら「万里一空」「清心自達」「克己服礼」という言葉を揮毫してきましたが、今回は「承前啓後」と揮毫しました。先人の努力を知って、その功績を大切に受け継ぐからこそ、未来が切り開かれる、という意味です。まさに、この揮毫式など、本校の伝統を受け継いで次に伝えていくことを通して実感してほしいことです。伝統を大事にしてこそ、科学技術は一層進歩していくんだと思います。先日、月面の狙った場所にピンポイントで人工衛星を着陸させたように、宇宙開今後今後どんどん進むことでしょう。しかしながら、地震の予知はまだまだできそうにないそうです。そこで、避難訓練は欠かせません。本校でも近所の保育園児と一緒に津波を想定して4階まで避難する訓練をしました。保育園児に中学校の校舎の階段は一段一段がとても高く、上がるのも大変です。3年生が手をつないだり、だっこして無事全員が上がれました(写真)。
   また先日は、本校の入学説明会を実施しました(写真)。真剣に話を聞いてくださった児童も保護者も大きな期待を持って、入学してきてくれると思いますので、その期待に添えるように全職員一丸となって、教育活動を展開していく覚悟です。出席した子供たちが、本校の伝統に裏付けられた、不易と流行を大事にした本校の教育を通して、将来、人の役に立つ技術を開発したり、人類の幸せにつながる仕事に関わってくれる人に育ってくれることを願っています。そこで、今、受験勉強もラストスパートに入っている、中学3年生やこれから入学してくる6年生の児童、苦しい状況でも頑張っているすべての人に表題の私の大好きな(大好きな古い曲が多すぎますが<笑>)曲を紹介します。https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=%e5%a4%a2%e3%82%92%e3%81%82%e3%81%8d%e3%82%89%e3%82%81%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%a7&mid=35CF33B643C543033F2B35CF33B643C543033F2B&FORM=VIRE   (現代の曲との一番の違いは、前奏が長いこと!)この曲は30年ほど前、私が、初めて小規模校(全校生徒100人弱)から大規模校(全校生徒1200人)に異動した際(あまりにも差が激しすぎて当時はアタフタしていました)に、1年目の学年合唱コンクールで10クラス中1位に選ばれた思い出の曲です。この曲に決まったとき、音楽の先生から、「この曲を選んで私が経験した合唱コンクールでは、優勝したクラスはありません!」ときっぱり言われたので、反骨精神で、手持ちのキーボードをクラスに持ち込んで、朝も、昼も帰りも練習しまくったのを覚えています。その演奏をカセットテープに吹き込んで40本近くダビングし、家庭学習と称して「家で、おうちの人がご飯作りながら、無意識に口ずさんでくれだしたらOK」などと若気の至り(!)で子供たちにノルマをかけて、しばらくして毎日の日記に「昨日、お母さんが歌っていました」というのを読むたびに一人喜んでました(笑)。スミマセン、今こんな勝手なことをクラスごとにされたら収集がつかないのですが、古きよき時代だった(!?)のと、音楽の先生は、小さい学校から異動してきたばかりで毎日戸惑っていた私にハッパをかける意味で言ってくれたんだなぁと、後になって思いました。すみません、昔話が長いのは年寄りの悪い癖とわかっていながら、ごめんなさい(苦笑)。先日の入学説明会で、本校の保護者会(本校は伝統的に「PTA」ではなく「保護者会」という名称です)会長さんが、ご挨拶のなかで、「附属中学校のことは、ホームページに詳しく紹介されていますから、見てください。中でも『フチュッピーの部屋』は、校長が、長い長い長い(強調しすぎ。でも当たっている!)文章を書いているので是非お読みください」などと何の打ち合わせもなく、急におっしゃるものですから、もう恥ずかしいやら、もし多くの人に見られたら、どうしよう、などと自分でもわかるほど、顔が熱くなりました(苦笑)。急いで、手元のスマホで、現在でているページを確認しましたが、今更遅いです(泣)。この説明会に来ている児童は、まだ、入学式が終わっていないので、保護者が「こんな校長で大丈夫なの?」ということで、辞退届がこれから出たら、私の責任だと真剣に焦っています。ただ、本校のホームページは、今年度のはじめ、4月からのものが見えますので、今回だけ格好つけても始まらない諦める諦めました(苦笑)。初めてごらんになった4月に入学予定の皆様、各小学校の素晴らしい校長先生のような、学校長らしい(!)崇高な文章とはほど遠い、昭和歌謡や、昔話ばかりの独りよがりのページですが、呆れず、他のページをゆっくりご覧ください。特に研究のページでは全国でも中学校としては、先駆的に取り組んでおります、入学説明会でもその一端をご紹介しました「STEAM教育」について掲載しておりますので、過去のページも含めてじっくりご覧ください。どうか、今後ともよろしくお願いいたします。(このページは見ていただかなくても何の問題もありません!)  
   ♪ ・・負けないように 悔やまぬように あなたらしく輝いてね・・苦しいことに つまずく時も きっと上手に超えていける・・あなたの夢をあきらめないで 遠くにいても信じてる・・♪



過去のタイトル一覧
令和6年度がスタートしました。本年度もよろしくお願いいたします。(2024年4月9日)
令和5年度が終了しました。皆様のおかげで、無事今日を迎えることができました。(2024年3月31日)
同じ空の下 どこかで僕たちは いつも繋がっている(2024年3月8日)
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