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式 辞
校庭の木々にも新芽が伸び、昨日の天候が嘘のような快晴のもと、春の息吹が強く感じられる今日の良き日、鳴門教育大学附属中学校第三十三回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、本学より大石雅章 理事・副学長様をはじめ、西村 附属学校部長様、山口 保護者会会長様、千田 同窓会副会長様ならびに多数の御来賓の皆様のご臨席を賜りましたことに、厚く御礼申し上げます。
本日この学び舎を巣立つ百五十九名の皆さん、晴れのご御卒業、誠におめでとうございます。いま皆さんが手にした卒業証書は、中学校三年間を学び終え、義務教育を終えたことの証です。
平成の年号が入ったものとしては最後となる卒業証書の重みをしっかりと味わってください。
保護者の皆様おかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。思い出のアルバムにも流れておりましたが、三年前の入学時を思い起こし、立派に成長した姿に、喜びも格別なものがあるものと拝察いたします。
多感な中学三年間、いろいろな事があったと思われますが、これまでのご労苦に敬意を表しますとともに、高いところからではございますが、お子様のご卒業を心からお慶び申し上げます。
さて、卒業生の皆さんは、今、三年間の様々なことを思い出し、胸が一杯なのではないでしょうか。先ほどの思い出のアルバムを見ても、本当にあっという間の三年間だったことと思います。その三年間というのは、決して楽しいことばかりではなかったかもしれません。
勉強や部活動でつまずいたり、友だちとの関係がうまくいかなかったりして、悩んだことも
あったでしょう。しかし、その一つ、一つが皆さんにとって、今となっては、大切な栄養になっているものと思います。
昨年創立七十周年を終え、また新たな一歩を踏み出した本校にとって、皆さんは最上級生として素晴らしい足跡を残してくれました。学業はもとより、スポーツ、文化、芸術活動など、多方面にわたり、輝かしい実績を残してくれました。
後輩たちも皆さんの活躍を目の当たりにし、附中の伝統をしっかりと受け継ぎ、皆さんを目標に、あとに続いてくれることでしょう。
そんな後輩から目標とされる皆さんに、私から最後のお話をします。
皆さんがこれから生きていく世の中は、予測不能な社会と言われ、AIやIOTが加速度的に発展し、二千四十五年ごろには、シンギュラリティ、すなわち技術的特異点を迎え、人工知能が人間の脳を超え、AIが人を超える時代がやってくるとさえ、言われています。しかし、どのような世の中がやってこようとも、人が幸せに生きる、生きたいという欲求を満たすためには、人としての「思いやり」の心無くして人類の幸せはやってこないと思います。
本校の校訓である、敬和奉仕の精神に生きる人間学校、その卒業生として、皆さんが今後それぞれの各分野のエキスパートとなって、日本、そして世界を支える人材になっても、人として、温もりのある心を持った、立派な大人になることを一番の目標にしてください。
「りっぱな大人」等というと、抽象的な表現と思うかもしれませんが、皆さんには、まさに「りっぱな大人」と称することに誰も異論をはさまない人に、三年間お世話になりました。 家族や恩師以外で、その人とは、誰でしょう。
そうです。北上さんです。今朝もいつもの笑顔で迎えてくれましたよね。私も今までの人生で多くの出会いがありましたが、あの方ほど、にじみ出るやさしさ、温もりを感じさせてくれ、ご自身の仕事に誇りを持って、仕事以上のことにも黙々と気遣いをしながら実践してくれる、私にとっても、人として心から尊敬できる方です。毎朝一緒に校門に立って、多くのことを学ばせてもらいました。
そんな北上さんは、ご家族の事情で今月末で退社され、故郷の海陽町へ帰られます。皆さんには、今日、校門を後にする時、北上さんに負けないくらいの最高の笑顔で挨拶をして欲しいです。人を笑顔にする、相手を思いやる心を持ち続ければ、必ず皆さんの周りには、皆さんを支えてくれる仲間の輪ができます。平成が終わり、まもなく始まる次の年号、そしてその次の年号になっても世の中の中心となって活躍する皆さんだからこそ、本校で培った、人間学校の精神を忘れないで頑張って欲しいのです。
終わりになりましたが、保護者の皆様には、本日まで本校の教育活動に、温かいご支援と
ご協力を賜り、誠にありがとうございました。
心よりお礼を申し上げます。今後とも本校の応援団として、附中を見守っていただければ幸いです。
また、ご来賓の皆様には、これまで本校教育に寄せていただきました、ご理解とご支援に厚くお礼申し上げますとともに、今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
卒業生の皆さん、いよいよ巣立ちの時が近づいてきました。今一度、ステージ右側に掲げられた、ちょうど二か月前の1月8日に揮毫した雄名録の掛け軸を見てください。昭和二六年から一度も欠かすことなく続いている新年の揮毫式の六九幅めの掛け軸が完成しました。平成の最後の揮毫式で書いた皆さんの名前は永久に本校に残り、後輩に受け継がれていきます。
今から10年ほど前に、この揮毫式は公開行事としました。将来、皆さんが悩んだり壁にあたってしまうことがあれば、遠慮なく揮毫式に来て、この雄名録を見つめてください。そこには、自分の書いた氏名とともに158名の仲間と、恩師や後輩の名前があります。
きっと皆さんの背中をそっと押してくれる勇気を与えてくれると思います。そのころ、体育館には100幅以上の掛け軸が並んでいることでしょう。
将来、世界中、どこで頑張っていても、同じ空のもとです。みんなの顔を思い浮かべながら、目標を見失うことなく頑張ってください。その教えが「万里一空」です。
卒業生159名の、限りない前途を祝福して式辞といたします。 卒業おめでとう。
平成31年3月8日
鳴門教育大学附属中学校 校長 大 泉 計
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タイトルの様に、柏原芳恵さんは「♪春なのに お別れですか 春なのに 涙がこぼれます♪」と歌っておられましたが(古!でも、最近とある保護者から、「校長先生、HPの『校長室から』の歌の歌詞、古くないですよ、私は中高生のど真ん中で、すっごく歌詞が響くし、すぐ歌えますよ」って言ってくれて、喜んでおります!)校長として、初めて式辞を言わせてもらい、卒業生一人一人に卒業証書を手渡せて、感動いたしました。答辞を読んでもらったときは、心の底からこみあげてくるものがありました。あらためて、卒業生の皆さん、ありがとう。そして、こんな立派に育ててくださった、保護者の皆様と、3年団を中心とした本校教職員に心より御礼申し上げます。