校長室から

生徒会「-いじめ撲滅-附中なかよしの宣言」に思う 2014年2月4日





大津市の中学生いじめ自殺事件をきっかけに,いじめ問題に対する学校や教育委員会の取組が大きく問い直され,いじめ問題への対処の体制整備を法律によって促すべきとの機運が高まり,平成25年9月「いじめ防止対策推進法」が施行されました。

本校においては,この法律が制定される以前から,いじめの防止・早期発見・対処等を適切に行うことを重要な教育課題と捉えており,平成25年度教員重点目標の一つに「いじめの撲滅」を掲げて取り組んできたところです。

その中で,授業や部活動における見取り,生徒へのアンケート等を通して本校におけるいじめの実態を把握するとともに,訴えのあったいじめについては組織を挙げて丁寧な対応に努めてまいりました。

その取組を検証したところ,本校の課題は「暴力を伴わないいじめ」であり,その特徴や対処等については,文部科学省国立教育政策研究所「いじめについて,正しく知り,正しく考え,正しく行動する。(平成25年7月)」に述べられている内容が実によく当てはまっており,本校の基本的な考え方にしたいと確信した次第です。ついては,ポイントとなる記述を抜粋いたします。

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「暴力を伴わないいじめ」の発生実態というのは,例えて言うなら,「風邪」のようなものなのですから,予防が一番なのです。・・・・いつでもどこでも起きていて,その多くは数日もすれば自然に解消し,本人もそれと気づかない場合すらある。ところが,「たかが風邪」と侮っていると,それがこじれて肺炎になり,時には死に至ることもあり得る。それが,「風邪」です。いじめも,元々は些細な行為なのに,気づかないまま放置すると,時に急速にこじれ,取り返しの付かない事態にまで進むことがあります。特に,しつこく繰り返されたり,みんなから集中的にされたりすると, 深刻な精神的ダメージをもたらします。・・・・まず取り組むべきことは「未然防止」です子ども同士の日々のトラブルが減り,相手に対する意地悪な気持ちが減り,仮にそうした事態が起きても相手を不快にさせるような態度や言動を抑えられるなら,「深刻ないじめ」にエスカレートすることはなくなるからです。・・・・そもそも,中学校の場合で言えば,半年間で3割弱の生徒が「暴力を伴わないいじめ」の加害経験を,「軽くぶつかる・叩く・蹴る」を含めれば4割の生徒が加害経験を持つことがわかっています。どの児童生徒も,何らかのきっかけがあれば被害者にも加害者にもなり得ることがわかっているのです。

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こうしたことを踏まえ,昨年,本校生徒会は,未然防止の手だてとして「君を信じよう・君に伝えよう・自分を変えよう」からなるいじめ撲滅宣言「なかよしの宣言」を打ち出してくれました。こうした前向きな取組が功を奏して,生活アンケートにおいて「(悪口や陰口といった)いじめが今も続いている」と回答した生徒は,昨年12月時点で前回調査より9人減り25人となりました。

この宣言に賛同した全ての生徒の皆さん,特に最高学年として,この宣言はもとより学校生活全般において高い人権意識・規範意識を発揮しリードしてくれた卒業生の皆さんに心から拍手を送るとともに,まだいじめがあるということを自分の問題として受け止め,今後も「いじめのない学校はない。見つけて解決し続ける。」という姿勢を貫き,身につけた温かい人権感覚をより高めてくれることを願っております。こうした生活態度が周りの人に安心感を与え,感謝の気持ちを育み,仲間の固い絆となっていくのですから・・・

なお,学校として,いじめ防止対策推進法に定められている「学校いじめ防止基本方針」の策定を速やかに行い,組織を生かして,いじめの防止・早期発見・いじめに対する措置を適切に行っていくことは言うまでもありません。

最後になりましたが,こうした成果は,保護者の皆様が「自分も相手も大切にし,思いやりを持って人に接する。」といった温もりある対人関係を大切にした家庭教育をしていただけるなど,手厚く附中教育を支えてくださったおかげ以外の何物でもありません。中山会長様はじめ,保護者会の皆様に深く感謝いたしますと共に,今後とも本校の教育活動にご支援・ご協力くださいますようお願い申し上げます。



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