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複雑で解決が困難な問題が山積するこれからの社会を生き抜くには,自ら課題を見つけ,幅広い知識や豊かな体験をもとに最適な解決策を提案し,関係する人々と協働して解決する行動力が求められます。その基盤となる学習を行う中学校において,昔ながらの「教室で,一斉に,教科書やプリントをもとに問題を解いていく」授業だけを行っていては,時代を担う人材を育てることはできません。
そこで,附属中学校では,教員の重点目標の一つに「楽しい授業」を掲げ,生徒のみなさんが主体的に活動し,興味を持ったり,驚いたり,納得したりすることで,学ぶ喜びを実感できるよう努力しています。
こうしたことから,生徒のみなさんには「伝わる言動」を呼びかけ,日々の教室での授業において,発表したり,意見を交わしたりして,学びを深めるようはたらきかけているところです。それに加えて,実験,実習,観察,作業等の体験的な学習や専門家による興味深い講話を取り入れることにも尽力しています。
理科では多くの実験等を行っていますし,技術・家庭においてもほぼ毎時間が実習であるととともに先端的なロボット制御等も取り入れています。ほかにも,大学教員による2年課題探究学習,LF(大学教員による講話)はもとより,大きく捉えれば歓迎音楽会,体育祭,文化祭も体験を生かした楽しい学習と考えてよいでしょう。
このように考えていけば,「東京大学における講話」「生徒による国会での模擬県議会」「JAXA見学」等を盛り込んだ修学旅行や「野外炊飯」「男三瓶登山」「石見銀山(博物館)見学」を行った宿泊活動は,体験を通して学ぶ喜びを味わう活動を3~4日に集約した特別学習であったと言えます。
なお,平成20年1月文部科学省「体験活動事例集-体験のススメ-[平成17・18年度豊かな体験活動推進事業より]」では次のように示されています。
体験活動は,豊かな人間性,自ら学び,自ら考える力などの生きる力の基盤,子どもの成長の糧としての役割が期待されている。つまり,思考や実践の出発点あるいは基盤として,あるいは,思考や知識を働かせ,実践して,よりよい生活を創り出していくために体験が必要であるとされている。具体的には,次のような点において効果があると考えられる。
○現実の世界や生活などへの興味・関心,意欲の向上
○問題発見や問題解決能力の育成
○思考や理解の基盤づくり
○教科等の「知」の総合化と実践化
○自己との出会いと成就感や自尊感情の獲得
○社会性や共に生きる力の育成
○基礎的な体力や心身の健康の保持増進
○豊かな人間性や価値観の形成
自分が興味深い内容を,とことん探究すれば知的な喜びを味わえると思います。従って,苦手な教科も体験等を通して興味・関心が高まれば,楽しんで学べるものです。今後は,楽しかった修学旅行や宿泊活動の学びを生かし,土・日等の自由な時間に,博物館等に足を運んだり,ものづくりに挑戦したり,山登りしたりして主体的に体験学習を重ねていってください。そして,「なぜ,どうして」と考えを深める中で,実際の生活や社会,自然の在り方を学んでいきましょう。