校長室から

美し国、日本 2011年10月24日





 

空から日本という国を眺めてつくづくと思うことがある。
 それは、わが国がいかに豊かな森と美しく輝く海に囲まれているかということだ。
 いくつかの国を旅してみてもその思いは変わらない。

 

  畳なづく青垣 山ごもれる大和し美し   『古事記』より
  (どこまでも続く緑の木々に覆われた山々に囲まれ、
                 日本という国はなんと美しい国だろう)
  古代の人々もそう書き残している。しかしながら、わが国は地震国であり、太平洋で発生する台風の通り道にもなっている。ことに、3.11以後、日本は変わってしまったといわれるくらいに、復興にむけても数々の困難に直面している。重ねるように台風で多くの尊い人命が失われもした。
  3月24日、東日本大震災の被災地 気仙沼の中学校で卒業式が行われた。以下にその卒業式での梶原裕太さんの卒業生答辞の内容を紹介する。
 
 階上(はしかみ)中学校と言えば防災教育と言われ、内外から高く評価され、十分な訓練もしていたわたしたちでした。しかし人間の力はあまりにも無力で、わたしたちから大切なものを容赦なく奪っていきました。
 時計の針は14時46分を指したままです。でも時は確実に流れています。生かされた者として、顔を上げ、常に思いやりの心を持ち、強く、正しく、たくましく生きていかなければなりません。
 天が与えた試練と言うにはむごすぎるものでした。つらくて悔しくてたまりません。
 しかし、苦境にあって天を恨まず、運命に耐え、助けあって生きていくことがわたしたちの使命です。
 
  自然は時にわたしたちに牙をむく。しかし、自然とともに生きるわれわれは、助けあってその試練を乗り越えていける、津波で3人の友を失った梶原さんが教えてくれている。
  毎日の生活の中で、世界のあり様と、自分の「生き方」をしっかり見つめ、決して甘えることなく「今、自分は何をすべきか」を考えよう。それは、他人と自分を比較することことではない。また、「絆」という言葉を遣わずとも、互いの存在を気遣い、助けあうとはどうすることなのかをしっかりと考えたい。
                                                                        谷木 由利


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