校長室から

♪ あれがあなたの好きな場所 ♪





   9月の半ばを過ぎても教室のクーラーは朝からフル稼働していたのが、なんだか遠い昔のような気がします。四季の変化に富むこの美しい国に、偶然とはいえ生まれたことに幸せを感じて生きてきて半世紀以上なるのに、ここ数年は、その季節感と暦にずいぶんズレを感じるようになりました。以前このページに書きましたが、私が青年教師(!)だった頃、「せんせー」と呼ばれながら、まさに勢いだけで子供と戯れていた時代、クーラーのない教室で「暑い、暑い、勉強やする気せん(しない)わぁ」と言う生徒に「勉強せんのを(やらないのを)暑さのせいにするなー!あと半年して、寒い、寒いって、言い出すときのために、この暑さを覚えとけぇ」などど、訳のわからん事を言いながら、自分もひどい環境の中で「あぁ、黒板に板書しながら、額から流れる汗に仕事をしてるって実感するわぁ」等と、やせ我慢をしていたことを思い出します。ホントにひどい教師でした。その頃私に教わってしまった(!)生徒のみなさん、当時の他の先生方のおかげで今は立派な大人になっていることと思いますが、「若かったから」は理由になりません。ごめんなさい。というわけで(どういうわけかわかりませんが、例のごとく前置きが長くなってしまいました)すっかり秋らしくなってきました。私は、クーラーにも暖房器具にも頼らないで生活できる季節がとても好きなのですが、前述の通り、最近はその期間が富に短くなっていく気がします。その心地よい気温の季節である「春」と「秋」は対照的で、私が好んでこのページに引用する「昭和の歌」の歌詞にもその差が見事に情緒的に書かれているものがたくさんあります。言うまでもなく、「春」は冬の暗い雰囲気から、雪解けを迎え、動物たちの活動も活発になり、なんといっても日本国民に幅広く愛される花である「桜」が開花することで、大変明るく、希望に満ちた夢膨らむイメージです。世の中も進学、進級、就職をはじめ、新しい年度のスタートということで活気がみなぎっています(本年度の例外は今後、歴史上いつまでも語り継がれると思いますが‥)。それに比べて、「秋」。燦々と輝く太陽とともに、はじけるパワー満載の夏の数々のイベントも終わり、去りゆく楽しかった夏の思い出(本年度の例外は今後、歴史上いつまでも語り継がれると思いますが‥)と共に、段々と気温の下がり方と比例して、どこか物寂しく感じるもので、数々の名曲にも素敵な言葉で、その想いが表現されています。気温は似ている「春」と「秋」とはいえ、このように全然違う季節感があるわけですが、私は「秋」のもの悲しさが好きです。(自分の性格に合っていると言っても周りの人は誰も賛同してくれません!〈笑〉)「行楽の秋」とか「食欲の秋」といった明るいイメージも多々ありますが、私は過ぎゆく夏を惜しみながら、徐々に気温が下がっていってあっという間に冬本番を迎える、まさに今のこの短い期間が好きです。青々とした若葉と対照的に落葉樹から落ち葉が散っていく姿に,最近は定年も見えてきた自分の姿を重ねてしまいます。なんか暗い文面になってきしたが、そんな少しセンチな気分に浸っているときにどこからともなく香ってくる「金木犀の香り」はまさに、私にとって『The Autumn』なのです。
   このあたりまで読んでくださった皆さんは、「最近の学校の紹介せんと(しないで)、なにを一人感傷にふけっとんな!」と思われてきましたよね(笑)。すみません。では最近の出来事を紹介します。今月は本校にとって、初めての行事を10月1日に行いました。今年は、入学式の縮小(伝統の紙吹雪や在校生の歓迎会の中止)から始まって、40年以上続く新入生歓迎音楽会(全クラスの合唱発表会)の中止、3年生最後の総合体育大会の中止など、例年続いている行事の縮小、中止が相次ぎました。そんな中で、もちろん感染拡大防止を最優先に、生徒の健康、安全を考えながら、先月の文化祭、体育祭同様できる範囲のことを可能な限り、教職員全員で知恵を出し合いながらやっていこうと取り組みました。何度も言ってきましたが、世の中の流れに沿って「中止」の決定は簡単ですが、来年度の状況なんてどんな専門家も断言できない以上、0か100かの選択はあまりにも安易であるとともに危険であると思います。今年「中止」、すなわち0にしてしまえば、今後の状況次第では、ずっと「中止」か、またはその決定に矛盾が生じるしかないように思います。すでに新しい生活の中でも、半年前の状況を考えると、矛盾が出始めています。常に子供たちに話している、これからの世の中を生きていくために大切な力となる「制約条件のもとで、最適解を追求する姿勢」を我々が身をもって示さなければと思う毎日です。またまた話が長くなりましたが、そういう状況の中で、行事の中止や縮小ではなく、トップページの「トピックス」でも紹介していますが、本校にとって初めての行事である「観劇」を実施しました。2年前から構想を温めていて、夏休み前に実施することにしていました。休業措置が始まった頃には、中止やむなし!という雰囲気でしたが「もう少し状況を見よう」ということで、本校の常に冷静な教頭が窓口になって、東京の劇団と度重なる打ち合わせを粘り強く続けてくれたおかげで、体育館での実施予定だったものを、本校から徒歩20分のところにある800人収容のホールで、実施することができました(写真上段)。本校の生徒数からして、座席間を原則1席空けると共に、舞台から近い前列3列を空けての着席が可能でした(写真2段目)。劇団員の皆さんはスタッフも含めて、3週間ごとにPCR検査をしてその結果も公表されています。多くの行事が中止や縮小の中で、卒業生も経験していない行事ができたことや、全校生徒が屋内に今年初めて一同に集まれたことも含めて、子供たちが心から喜んでくれた様子が翌日の感想文の文面から伝わり、安堵しました。ちなみに、今回苦労して、また工夫して実施にこぎ着けた状況を劇団側も理解してくださり、本校の体育館からこれだけのホールを借り切っての実施に変更したのに、料金は当初の予定と変更なくできました。今回観劇した「ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち~」は大変深い内容で、子供たちも迫真の演技と共に小さい頃に読んだ同名の伝記からは読み取れなかった内容の深さに、素晴らしい感動を味わえたようでした。興味のある方はhttps://www.kaze-net.org/repertory/rep_helen  を御参照ください。
   本校は10月12日(月)が前期終業式で、秋期休業期間を約1週間設け、19日(月)が後期始業式となります。今は衣替えの移行期間で、19日から完全に冬服となります。今はまだまだ夏服が多いですが、冬服と夏服が混じる、この期間は学校ならではの季節感が感じられ、私は気に入っています(写真3段目)。
    さて、表題の曲ですが(ここからの駄文を楽しみにしてくださっているという、極々一部の県内外の方のリクエストにお答えして、ダラダラと思いを綴っていますが、最近はあまりにも選曲が古すぎる、というご批判もお聞きします。そこのところは、ネット動画等でお聴きいただくきっかけにしていただければということで、お許しくださいm(._.)m) これは、小田和正、正確にはオフコースの「秋の気配」という曲の出だしのフレーズです。タイトルもまさにこの時期にフィットしているかなと思います。ただ、先月末より松田聖子さんがデビュー40周年ということで、国営放送でも一夜限りのライブが組まれるなど、大盛り上がり(おじさんだけ?)だったので、今月のタイトルは「風立ちぬ 今は秋」にしようと思ったら、バックナンバーを見ると、2018年のこの時期にすでに使っていました(お時間のあるときに下の2018年度のところにありますので、お目通しいただければ‥冗談です)。彼女は私の一つ年上なのですが、その容姿はもう驚嘆ですよね。私が高校3年生の時のデビューで、本当に当時アイドルと呼ばれていた人達の中で、その歌唱力は群を抜いていたと思うのは私だけではないと思います(今回発売されたデビュー40周年記念CDのDVD付き初回限定盤を2ヶ月前から予約し、発売前日に届き(!)、夜な夜な校長室で聴いています〈笑〉)。その聖子さんが歌った「風たちぬ」より4年前(私は中3)にリリースされたのが、この「秋の気配」です。(古い!)当時の坊主頭の私は「こんな女性みたいな高音がよく出るなぁ」くらいにしか思っていませんでしたが、メロディはとても気に入っていました。でも歌詞の意味までは、当時の(今でも)浅学な私が思いを巡らすはずもありません。そんな小田さんは、先月73歳になられました。ご自身ではいつもコンサートで「こんなじじぃが‥」なんて発言をされていますが、その年齢であの歌声(今TVで流れている保険会社のCMの様々な写真〈私は次のバージョンで流れる予定の幼い姉妹がひまわり畑の中を手をつないで歩いている写真が一番のお気に入りです〉のバックで流れている曲は、小田さんがこのCM用に6年ぶりに書き下ろしたもので、あの歌声は現在のご本人のものです)は、まさに還暦を1年後に迎える聖子さんの容姿とともに驚嘆です。そんなことはともかく(それにしては文字数多すぎ!)この曲の中で歌われている、「あなたの好きな場所」は、横浜の『港の見える丘公園』といわれていますが、私にとっての好きな場所は、学校から車で15分ほどで行くことのできる徳島市北部の「小松海岸」という場所です。今年は海開きができませんでしたが、徳島市唯一の海水浴場としても夏は賑わいます。他のシーズンも年間通して、サーフボードを乗せた車が多く訪れます。私は、人が多い時は行きませんが、夕方とか、嵐が近づいている時とか、落ち込んでいる時(!)とか、海岸に向けて車を駐めて、お気に入りの曲を聴きながら、車の中でボーッとするのが昔から好きです。徳島の海岸線も港湾や空港の造成で、私がここで生活をするようになってからのこの40年間でずいぶん変化しました。でも山(眉山)も海も市内中心部からすぐに行くことのできるこの地において、ここ(写真下段)が「私の好きな場所」です。でも,ここを「あれがあなたの好きな場所」なんて言ってくれる人はどこにもいませんが・・(笑)。ちょうどこの撮影(車の中から)をした日は、10月1日で中秋の名月でした。  いつもにも増しての長い長い駄文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

過去記事一覧

2020年度

♪ あれがあなたの好きな場所 ♪ (2020年10月6日)

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Go To ‥‥the Future   ♪ 想い出はモノクローム 色をつけてくれ ♪ (2020年7月25日)

♪ 卯(う)の花の匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ   ♪ (2020年6月23日)

♪ 夜明けは近い よーあーけはーちかいー ♪ (2020年5月26日)

♪ つぼみをあげよう 庭のハナミズキ ♪ (2020年5月3日)

♪ 命はひとつ 人生は1回 だから命をすてないようにね ♪ (2020年4月20日)

♪ 荒れた青春の海は厳しいけれど 明日の岸辺へと夢の舟よ進め ♪ (2020年4月10日)